Entra IDではユーザーグループやデバイスグループを作成し、リソースを効率的に管理することが出来ます。
しかし、Entra IDにユーザーやデバイスが追加されるたびに手動でグループに追加するのは面倒です。
Entra IDのグループには条件を設定して、その条件を満たすメンバーを動的に管理することが出来ます。
そこで今回はデバイスグループを例として動的に管理する動的グループを作成したいと思います。
1.動的グループとは
動的グループとは、特定の条件を満たすメンバーが自動的に追加・削除されるグループです。
組織内のユーザーの属性や属性の組み合わせに基づいて、セキュリティグループや Microsoft 365グループを構成出来ます。
例えば、ユーザーのプロパティから所属部署ごとのグループに振り分けたり、デバイスOSごとのグループに振り分けたりすることが出来ます。
既に作成済みのグループを動的グループに変更することも可能です。
2.動的グループの制限
2.1.ライセンス
ユーザーグループの動的グループを作成する場合、メンバーに含まれる全ユーザーに「Microsoft Entra ID P1」以上のライセンスが必要です。
なお、デバイスグループの場合は「Microsoft Entra ID P1」は必要ありません。
2.2.メンバーシップ
ユーザーまたはデバイスの動的グループは作成できますが、ユーザーとデバイスの両方を含む規則は作成できません。
また、デバイス所有者のユーザー属性に基づいてデバイスグループを作成することはできないため、デバイスルールでは、デバイスの属性のみを参照できます。
セキュリティグループではユーザーとデバイス、Microsoft 365グループはデバイスのみをメンバーとすることが出来ます。
制限の詳細は下記を参照してください。

3.動的デバイスグループの作成
1.Entra管理センターを開き、グループ作成時もしくは既存グループのプロパティで「メンバーシップの種類」で「動的デバイス」を選択し、「動的クエリの追加」をクリックします。

2.「プロパティ」、「演算子」、「値」に任意の値を指定します。
プロパティ等の詳細については下記の公開情報をご覧ください。
Azure Active Directory の動的グループ メンバーシップ ルール
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/active-directory/enterprise-users/groups-dynamic-membership
下記はデバイスのOSがWindowsであるという条件です。
- プロパティ:deviceOSType
- 演算子:Equals
- 値:Windows

下記はデバイスのOSがiPhoneであるという条件です。
- プロパティ:deviceOSType
- 演算子:Equals
- 値:iPhone

3.クエリの設定後、クエリが正しいことを確認するために「ルールの検証」-「デバイスの追加」から検証デバイスを追加します。

4.デバイスが追加され、クエリが問題無ければ「状態」が緑色チェックになります。クエリを保存します。

5.最後にグループ設定の変更を保存します。

これで動的デバイスグループの作成は完了です。
今後、Windowsデバイスが Entra ID に登録されると自動的に作成した動的デバイスグループに追加されます。
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